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「俺達韓国人と日本人の共通点を言ってやろうか?」 「?」 「ロクな政府を持っていないってことさ!」 「……政府批判は死刑です」 「どうせこれから死ぬ!くそっ。日本に亡命してやろうか?」 中隊長は小声で毒づいた。 「メサイア手みやげにすれば、そこそこ……」 「ダメですよ」 その声が聞こえたのか、MC(メサイアコントローラー)がうんざりしたという声で言った。 「こんな騎、近衛軍の使う“インペリアル・ドラゴンシリーズ”に比べたらクズですよ」 「……スクラップ代請求されるか?」 「大隊長と師団長が20騎連れて島を大きく迂回、その“インペリアル・ドラゴンシリーズ”が着陸した独島へ」 「その分の戦力をこっちに回せ!」 「そういう―――敵2、戦闘機動開始!」 「全騎、各個にかかれっ!武器使用自由!何としてもあの2騎を突破!島へたどり着けっ!」 ●韓国軍鬱陵島防衛隊司令部 「第二中隊が糖花島(とうかじま)へかかりました」 鬱陵島(うつりょうとう)のほぼ中央に存在する韓国軍鬱陵島司令部の大型モニターには糖花島(とうかじま)へと接近するグレイファントムが白い点として表示されている。 29騎。 数としては申し分ない。 凡そ軍司令部には似つかわしくない革張りのソファーにふんぞり返りながら、黄司令は鷹揚に頷いた。 「よろしい。戦果は?」 黄司令が望んでいるのは、接近しつつあるグレイファントムKAの戦果だけ。 この鬱陵島(うつりょうとう)周辺は、即ち軍管区としては、司令官である彼の持ち場であり、その持ち場での戦果は自動的に彼自身の戦果となる。 横取りなどではない。 立場上、そうなるのだ。 だからこそ、彼はグレイファントムKAがもたらす自らの戦果という“当然の結果”を、どうやって最大限に活かすかを考えながら待っていた。 無謀にも鬱陵島(うつりょうとう)に接近を試みた、愚かな日本軍を撃破。 明日の新聞の見出しはそんなものでいいか? あとは大写しの自分の写真―――いっそ、撃破した日本軍メサイアや戦闘機の残骸と一緒にしたほうがいいか? 子供達を使うのはどうだろう。 次の選挙に打って出るのもいいか。 ―――まぁ、いい。 どちらにしろ、相手が日本軍なら、少なくとも勲章と中央への栄転は確実だろう。 うむ―――いいことだ。 ソファーにふんぞり返りながら、従兵の持ってきた焼酎入りのグラスに手を伸ばした黄司令は、部下の報告がないことに気づき、手を止めた。 「どうした?集計が間に合わないのか?」 「いえ……その」 彼の部下達は、目の前の光景をどう報告してよいのか、本気で迷っていた。 上官の機嫌を損ねれば、あの糖花島(とうかじま)に送られかねないし、実際、彼らの多くが、そうやってこの司令部から去っていった仲間達を見てきたのだ。 「はっきりしろ!」 顔を見合わせる部下達の態度がカンに触った黄司令は、グラスをつかむと部下達めがけて投げつけた。 「俺の機嫌をそんなに損ねたいのか!?イ少尉!」 「い、いえっ!」 名指しされた気の毒な士官が弾かれたように立ち上がると、直立不動の姿勢のまま大声で怒鳴った。 「自分は司令官閣下に忠誠を誓っておりますっ!」 「ならさっさと報告しろっ!日本ブタ共を何匹始末した!」 「―――っ!」 彼は、モニターを確認すると、覚悟を決めた声で怒鳴った。 「既に第二中隊は半数が脱落!糖花島(とうかじま)に上陸出来た騎はありませんっ!」 ガンッ! 鈍い音と、くぐもった悲鳴が司令部に響く。 従兵の持っていた盆を顔面で受けたイ少尉が口元を押さえてのたうち回る。 「誰がそんな報告をしろと言った!」 黄司令はソファーから立ち上がると、床にうずくまったままの部下を、磨き上げた軍靴で蹴り上げた。 「俺の栄光に泥を塗るつもりか!?おい!パク大尉!貴様の指導が悪いせいだ!部下を敗北主義者にしてどうするか!」 「し、しかし!」 「俺の都合のいい報告をしろ!」 「モニターを見てくださいっ!」 司令部でオペレーター任務を担当する兵士達を束ねる立場のパク大尉は、黄司令から見えないように、隠し持った拳銃のグリップを握りながら怒鳴った。 「敵は圧倒的です!戦力が足りませんっ!」 「なっ!」 黄司令は気色ばんだが、 「―――グレイファントムKA201号騎、203号騎反応消失。続いて209号騎が!」 「糖花島(とうかじま)進行速度変わらず!」 「鬱陵島(うつりょうとう)上空までの予想時刻修正、マイナス250秒!」 「く、空軍はどうした!海軍は!」 敵がこの島に接近しつつある。 それだけは黄司令にもわかった。 「空軍の攻撃は!」 「爆装したF-4部隊が再接近中ですが、メサイアをまずどうにかしないと」 「たるんでいる!」 「……」 「島の全部隊に動員を!」 「黄同士」 黄司令の背後に、ずっと無言で立っていた士官が黄司令の耳元で囁いた。 「それは党によって禁止されています」 「……」 ハッ。という顔になった黄司令は困惑した顔で言った。 「し、しかし……それでは」 「ご心配なく」 士官が二言三言黄司令の耳元で囁く。 黄司令は目を見開いたまま、ただ頷くだけ。 そして――― 「パク大尉」 「はっ」 「コホン……ああ。私とヨン少佐はこれより席を外す。以降の指揮は君がとってくれたまえ」 「……は?」 「これは命令だ。最善を尽くしてくれたまえ」 ●糖花島(とうかじま)付近 光の矢が、まるで吸い込まれるように、濃紺色に塗装されたグレイファントムKAの胴体に風穴を開けた。 直後、騎体のあちこちからオレンジ色の炎が吹き出した。 「クソッ!やられた!コントロールが!」 騎体を操る騎士が混乱していることは、まだ生きているコントロールユニット越しの動き、つまり、グレイファントムKAそのもののパニック動作でわかる。 「キムっ!かまわんっ!脱出しろ!聞こえているな!?」 その騎の間近にいて、一部始終を目撃していたペ中尉が怒鳴る。 「わ、わかった!―――206号騎、脱出(ベイル・アウト)!」 バンッ! グレイファントムKAの頭部と胸部で小さな爆発が起きた。 爆破ボルトとロケット推進装置が作動し、ハッチが吹き飛んだのだ。 頭部をほぼ完全に吹き飛ばし、MCL(メサイア・コントローラー・ルーム)を構成するユニットが射出されたのを、ぺ中尉は確かに見た。 「よし。MC(メサイアコントローラー)は大丈夫だ」 ほうっ。と、ペ中尉の口から思わず安堵のため息が漏れる。 「大丈夫でしょうか?」 MCL(メサイア・コントローラー・ルーム)からイ少尉の心配そうな声が聞こえた。 「大丈夫さ―――グレイファントムは、脱出装置についてはロシア製の“スターリン”より信頼性が高いと聞く」 敵を警戒しつつ、ペ中尉はしゃべり続けた。 ―――敵は近くにいない。多分、第3小隊の生き残りを狙っているんだ。 ペ中尉はしゃべり続けていたかった。 無言になった途端、死にそうな、そんな予感がしたからだ。 「だけどね?もっとスゴイのがあるのさ。アングラ雑誌で読んだけど、日本軍の“インペリアル・ドラゴン・シリーズ”は、MCL(メサイア・コントローラー・ルーム)をユニット単位で安全区域にテレポートさせる“テレポート・エジェクト・システム”を導入たってさ」 「魔法で脱出?」 「ああ。だから、MC(メサイアコントローラー)は騎体が吹き飛んでも怪我さえしないって。後はエンジンもだそうだ」 「騎士は?」 「責任とれってことかな―――っていうか!」 ぺ中尉は、そこでようやく横を飛行しているグレイファントムKAのコクピットから誰も脱出していないことに気づいた。 もう、騎体が完全に炎に包まれつつあった。 「キム、早くしろっ!MC(メサイアコントローラー)はもう脱出した!」 「脱出出来ない!シートが、シートが動かない!騎体のフレームが歪んだんだ!ハッチが飛ばない!」 「キムっ!今そっちへ!」 「た、助けてくれっ!火が、火がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!」 ズンッ! 光が走り、キムの乗るグレイファントムKAを串刺しにした。 それはむしろ、救いだったのかもしれない。 苦しまずに死ねる。 それは―――救いだ。 ペ中尉は、魔法攻撃の直撃を受け、グレイファントムKAが四散する光景を、ぼんやりと眺めながらそう思うしかなかった。 「中尉っ!」 MC(メサイアコントローラー)の怒鳴り声がなければ、ペ中尉はいつまでもそうしていたろう。 だが、ペ中尉は軍人で、しかもここは戦場だ。 軍人として鍛えられ、世界に冠たるグレイファントムKAを預かる彼は、即座に我に返った。 「少尉!敵は!?」 「索敵レーダーに反応!後方2時、距離1250!」 とっさに騎体をひねり、騎体を反転させる。 そこにベ中尉が見たモノは、巨大な剣を振り下ろそうとする漆黒の騎体だった。 「い、いつの間に!?―――ええいっ!」 ギュィィィィィンッ! ペ中尉は、胸部追加ブースターを全開に開き、敵との距離をとる。 ザンッ! 振り下ろされた剣が、グレイファントムのシールドを、まるでチーズの如く切り裂く衝撃が、コントロールユニット越しに伝わってきた。 「つ、追加ブースターが無ければ死んでいた!」 「まだ来ますっ!」 「くそっ!」 まるで龍の骸骨を連想させるような禍々しいデザインの敵が再び剣を構え、襲いかかってくる。 シールドを切断された以上、実斧では意味がない。 とっさにそう判断したペ中尉は、グレイファントムの主力装備である実斧を放り捨て、腰部にマウントされていたレーザーソードを抜いた。 ギインッ! 剣とレーザーソードがぶつかり合い、目もくらむような光があたりを照らし出す。 「正解だった!」 ペ中尉は思わず大声で。 「光剣じゃなきゃ死んでいた!」 「中尉!」 MC(メサイアコントローラー)が悲鳴を上げた。 「パワーが負けていますっ!」 「こっちはグレイファントムだよ!?」 ペ中尉はコントロールユニットを握りしめ、パワーを引き出そうと必死だ。 「米軍の本国防衛用に開発されたM64ほどじゃないけど、M16フリーダムファイター並の出力はあるって……司令部が!!」 「一々解説してないで、何とかしてくださいっ!」 「両方一緒にやるっ!リミッターをカット!」 「はいっ!」 ギィィィィ―――ギュィィィィィンッ! エンジン音が数オクターブ高いものに切り替わった。 「リミッター解除、稼働時間が限定されます。注意してください!」 「わかった!何分!?」 「10分!」 「10分!?」 ぺ中尉は悲鳴をあげた。 「たったそれだけ!?」 「韓国製の素材ではそれで限界ですっ!」 「日本製を使ってくれっ!」 「ほうっ!」 ペ中尉に襲いかかったメース“ヴィーズ”を駆るアニエスは楽しげに鼻を鳴らした。 「ふんっ。やっとホネのあるやつが御登場かい?」 メースの出力も 騎士の技量も 何一つ満足出来ない相手ばかり。 一言で言ってダニ。 そんな連中ばかりだ。 それが、アニエスの下した韓国軍メサイアとそのパイロット達への評価だ。 数千年ぶりの戦いに勇んで望んだアニエスの興奮を差し引いても、かなり辛辣な評価ではある。 しかし、アニエスはすでにわずか半時にも満たない戦闘でメサイア16騎を難なく撃破しているのだ。 しかも、そのほとんどがアニエス満足に剣を合わせることさえ出来ず、アニエスは何回敵と剣を合わせたか、片手で数えてまだ余っていた。 それだけに、あんな柔らかい素材で出来た斧では意味がないと判断し、レーザーソードを抜いたペ中尉の出現に、アニエスは驚喜した。 「ハハハァッ!さぁ、歓迎してやろうじゃないのさ!」 「くそっ!」 リミッターを解除した負荷稼働状態のグレイファントムKAを駆るペ中尉は、凄まじいスピードで襲いかかる敵の剣を何とか捌くだけで精一杯だ。 「装甲に意味がないっ!」 かわし損ねた攻撃は、グレイファントムKAの装甲を確実に切断していく。 すでに肩部装甲は半分ほどまで削れている。 人類にとってはロシア製メサイア“スターリン”と並ぶ世界的スタンダードメサイア。 それがグレイファントムだ。 一概にその名を呼んでも、各国で全く形状が異なるケースがほとんどだ。 理由は簡単。 メサイアを導入する国の多くは、メサイアを単なる兵器としてだけでなく、その国の力を現す象徴を求める。 故に、その国の伝統、文化、為政者の嗜好、その他様々な要素が加わることになる。 そのほとんどが、戦闘装束に身を包んだ兵士のイメージだ。 当然、韓国軍のグレイファントムKAもその中に入る。 するとどうなるか? かつての兵士達の装束のイメージによって装甲の形状や厚さが変わってしまうのだ。 元が厚い西洋甲冑をイメージ出来る欧州各国は、特殊任務のために機動性を重視した“機動型”と呼ばれる軽装甲タイプを除けば、ロシア軍のローマイヤに代表れさるように、基本が重装甲タイプが基本だ。 加えて甲冑の伝統が薄い中東や米国もまた、これに対抗するため、グレイファントムM64やM16に代表されるように、やはり重装甲タイプになる。 問題は、伝統的に兵隊が甲冑を身につけ、しかもその甲冑が革張りなど、軽量だった場合。そして、このデザインに為政者が固執した場合だ。 グレイファントムKAはまさにこの典型例だった。 伝統的なイメージに、一応こだわりつつ、それでも装甲厚に神経を注いだ中華帝国や日本とはワケが違う。 その結果、グレイファントムKAはグレイファントムシリーズの中で最も装甲が薄いことで知られる結果となった。 敵の破壊力を差し引いても、これでは気休めにもならないだろうというのが、ペ中尉の偽りのない判断だ。 「くっ!」 振り下ろされた剣をギリギリで受け止め、騎体をひねって背後をとろうとする。 装甲が薄い分、機動性だけはいい。 だが――― ガギィンッ! 「ぐっ!?」 鈍い音と共に騎体に走った衝撃に、ペ中尉は一瞬、気絶しそうになった。 衝撃の意味はすぐにわかった。 背後に回られることを嫌った敵の蹴り技をモロに喰らったのだ。 「くそっ!」 「中尉!」 MC(メサイアコントローラー)がペ中尉に告げた。 「空軍が攻撃を開始しますっ!」 「何っ!?」 「このまま敵をこの場で喰い止めてください!これは命令ですっ!」 「どこからだ!」 「軍総司令部からですっ!」 「無茶苦茶だぞ!」 鋭い突き技を何度となくかわすペ中尉は、本人は気づいていないが確かにこのメサイアを喰い止めてはいた。 「やってるじゃないですかっ!」 そのMC(メサイアコントローラー)の言葉は、彼にとって決して慰めにはなっていなかった。 「空軍はどれ位の戦力を持ってきたんだ!?」 「約80機。全機対地攻撃用に爆装しています」 「そりゃスゴい」 ペ中尉は、F-4が80機で大編隊を組む光景を見てみたかった。 残念ながら、今の状況ではとてもムリな話だが――― ●“天壇”司令部 「へえ?」 接近しつつある見慣れぬ乗り物がスクリーンに映し出され、ダユーが感心したように言った。 「あれ、人間が乗っているのですよね?」 「……らしいな」 グラドロンは大した感慨もない口調で頷く。 「おそらく、あの翼の下の黒い物体は、先程の白い筒と変わらないじゃろう」 「ドーンッって?」 ダユーは握った手を大きく開き、クスクスと笑い出した。 その可憐な少女さながらの仕草でさえ、グラドロンの感心を誘わない。 「まぁ―――あの程度、どうとでもなるが」 「どうなさいます?」 「コランタン」 「はっ」 「アニエス達の現在位置は?」 「Sフィールド。ポイント25です」 「ふむ……なら大丈夫……か」 「グラドロン様?」 「コランタン……防壁のよいテストじゃ。―――やれ」 ●日本海上空 糖花島(とうかじま)付近 「狙いは15キロの大物だ!」 糖花島(とうかじま)へ接近しつつあるF-4編隊長はE-737 からの誘導を確認しつつ、部下に怒鳴った。 「日本軍からの花火は上がっていない!一気に殺るぞ!」 「了解っ!」 部下からの威勢の良い返答に満足した彼は、操縦桿を握り直した。 憎悪する日帝が攻めてきたのだ。さすがに15キロの糖花島(とうかじま)を空に浮かせるなんて信じられないことをしでかすとは予想出来なかっただけだ。 「いつの間に糖花島(とうかじま)を占領していたか知らないが」 「許せませんね」 F-4の後席に座るRIOがまるで編隊長の機嫌をとるかのように大仰に頷いた。 「落とし前はきっちりとってやる。距離は?」 「―――敵の電波妨害のようです。レーダー、レーザー使用不能。計器類にも被害が」 「ちっ!高度計が狂いだしてやがる!」 狩野粒子の脅威を知らされていない彼ら韓国軍人は、目の前で狂う計器類を日本軍の電波妨害兵器によるものと切り捨てた。 そして――― 「編隊長!」 新米の李大尉が興奮気味に言った。 「第一波の攻撃指揮は是非、自分に!」 「……お前のオヤジさんは、確か王制党の」 「はいっ!首都圏第二区幹事を!」 「よし……オヤジさんによろしくな。第一波25機の指揮をとれ」 「はいっ!第一波参加機へ。李大尉だ!これより俺が指揮をとるっ!俺を先頭に編隊を組めっ!」 李大尉機を中心に爆撃編隊が組まれる。 無線のノイズがさっきからひどくなる一方だ。 「電波妨害にすぎない!全機、怯むなよ!?―――続けっ!」 糖花島(とうかじま)の上面。かつて観測所のあった付近を爆撃ポイントとすることは、出撃前から決められた通りだ。 李大尉は、当初の打ち合わせ通り、その爆撃ポイントめがけて機体をコースに乗せた。 ドズゥゥゥゥゥム!! ズズンッ! 粘っこい爆発が編隊長の耳を、その機体ごと打った。 攻撃の直撃を受けたのか!? そう編隊長に誤解させるほど派手な衝撃だ。 音の発信元は糖花島(とうかじま)方面。 「25機の爆撃による衝撃がこれほど強いとは思わなかったな……」 編隊長はそう思ったが――― 「編隊長!」 RIOが悲鳴を上げた。 「編隊長はご覧にならなかったんですか!?さっきの!」 「何?どういうことだ?」 「第一波は全滅です!」 「なっ!?」 「連中、見えないバリアみたいなモノに突っ込んでバラバラに―――」 「馬鹿な!」 「間違いありませんっ!」 ●“天壇”司令部 「あらら……」 ダユーが呆れた。という声で言った。 「たかが防御壁……凌げないにしても、避ければよいものを」 「気づけなかったんじゃろうよ……マヌケめが」 「気の毒に思われてます?」 「哀れんでおるわい」 「では―――残りは私のエモノで」 「フン……好きにせい」 ●日本海上空 糖花島(とうかじま)付近 「しつこいんだよ!」 グレイファントムKAでヴィーズ相手に渡り合うペ中尉だったが、騎体がもう限界だった。 何度目か忘れた敵の剣を受け流すビームサーベルの光が最初の半分も無くなっていた。 コクピットは警報とアラームがもうすこしで騎体を占領することを告げていた。 「空軍はかかったんだな!?」 「すでに全滅!」 「全滅!?」 「第一波が、あの島のFGF(フリー・グラビティ・フィールド)に激突して、残りは敵の攻撃で!」 「FGF(フリー・グラビティ・フィールド)なんてわかりそうなものだろうが!」 「戦闘機にそれは酷です。我が国はFGF(フリー・グラビティ・フィールド)を発生させる大型飛行艦を保有していません!」 「無知は恐ろしい罪だな……」 チラと見た計器類は半数以上が真っ赤かブラックアウトしている。 いわばエンジンから無理矢理パワーを搾り取るリミッターカットの悪影響だ。 関節系、推進系、すべてが危険域に達している。 「ええいっ!」 ペ中尉は全てを振り切るように頭を激しく振った。 「残存するグレイファントムは!?」 「あと2騎……あと1騎!」 「そいつに通報してくれ!」 「この騎のことです!」 「……脱出するっ!攪乱幕、照明弾、構わないから、目つぶしになるもの全部叩き付けろっ!」 「はいっ!」 「あとはブースターが吹き飛ぶまで逃げるっ!海に落ちたら泳いででもな!」 ●“天壇”司令部 「“エサ”の捕獲は順調です。抵抗は散発的」 コランタンは事務的な顔を崩さずにグラドロンに報告する。 「上陸時点でのエサの数は推定2万5千。エサとしては十分です」 「他の物資は?」 「現在、陸戦隊が調査中です。調査完了には今しばらく」 「急げ」 「はっ」 ●韓国軍鬱陵島防衛隊司令部 「な、何なんだあれは!?」 突如現れた巨大な岩塊。 そこから舞い降りたのは――― 「撃ちまくれっ!」 司令部の前にバリゲートを築いたパク大尉が自動小銃を手に怒鳴る。 「他の部隊との連絡は!」 「無線、有線、共に通信不能!他部隊との連絡、一切つきませんっ!」 「―――くそっ!」 司令部へと通じる通路。 その向こうから迫り来るのは、生きた人間ではない。 TAC(タクティカル・エア・カーゴ)らしき飛行物体が大量に着陸したのが市街ブロックの市場のど真ん中。 それ以来、命令系統は寸断され、他の情報はすべて伝令に頼り切っている。 そして、その伝令さえ、今ではつながらない。 何しろ相手は――― 「銃弾を喰らっても死なないなんて!」 自動小銃のマガジンを交換しつつ、部下の一人が悲鳴に近い声をあげた。 「日本軍は一体、どんなヤバいクスリ使ってやがるんだ!?」 「イ、手榴弾貸せ。通路を吹き飛ばす。その後は……」 「その後は!?どうするんです!大尉!」 「救援を待つ。ダメならそん時ゃ覚悟決めろっ!」 ●“天壇”司令部 「屍鬼(グール)達のエサに新しい仲間……と」 ダユーはコランタンの報告にそこそこの満足感を示した。 「後は、2、300体、半島のあちこちに放り込んであげれば完璧ね♪」 「そういうわけにもいかんぞ?ダユー」 「えっ?」 「何故、我々がこんな島に来たか……そして、我々が、何故にこんな海にて降伏するハメになったかは、一々言わんでもわかるだろうな?」 「……ハァッ……ほとんど忘れかけてましたわ?」 「コランタン。“バイパイス”の状況はわかった。取り込み口周辺の土砂を吹き飛ばし、バイパスとの接続を可能に―――」 ドォォォォォォォォォォォン!! 鬱陵島(うつりょうとう)が揺れたのは、その瞬間だった。 そのままだったら確実に鼓膜をやられるような派手な音を伴い、ダユー達の目の前で巨大な土煙が立ち上った。 「何!?」 土煙の中、パラパラと落下する土砂が“天壇”にも容赦なく降りかかる。 「何が起きたの!?」 「“天壇”に被害なし!謎の飛行物体1飛来、鬱陵島(うつりょうとう)に命中!」 「飛行物体?」 「ヴォルトモード軍からの情報にある、人類側の「大砲」なる物による攻撃かと思われます」と、コランタンが言った。 「―――ふむ?」 「警戒が不十分でした。砲弾なるものは、撃ち落とすことは可能です」 「そうか……いや?」 グラドロンは思いついた。という顔で言った。 「コランタン」 ●韓国領内 鬱陵島(うつりょうとう)に対する砲撃。 それを実現したのは、日本軍侵攻に備えて興南(フンナム)沿岸砲兵隊から移動中だった2門の砲。 80cm列車砲―――“グスタフ改”“とドーラ改”という。 ドイツクルップ社によって1930年代に製造された、総重量約1350トン、全長42.9m、全高11.6m。この世界でも、実体弾を撃ち出す砲としては世界最大を誇る。まさにモンスターだ。 砲身長28.9m、口径80cmのカノン砲をもって、4.8トンもの砲弾を最大45キロの彼方まで届かせることが出来る砲なぞ、他にありはしないし、稼働には5千人近い人員と、さらに移動だけで専用のディーゼル機関車2台が必要とする贅沢なシロモノなんて、他に存在するはずがない。 陸の上で存在が困難なのは、クジラと巨砲。この砲もまた、長距離の移動の際には分解されて運ばれ、実際に砲撃するまでに、整地、レールの敷設までを要求した挙げ句、準備完了に数週間を要する。 トドメの如く、百発撃ったら400トンの砲身交換が必要な砲を「贅沢」と言わずに何と呼べばよいのだ? こんな砲だから、さすがの陸軍大国ドイツも、開発後数年で、試作2両を大韓帝国により二束三文で買い叩かれたとしても無理はない。 韓国人は、この砲に取り憑かれたといわれている。 何しろ、大型貨車4台(台車は8台分)に載せられた本砲を動かすには、線路が複線で計4本、必要。組み立てたければさらに4本必要という、普通の国ならサジを投げるようなシロモノだ。 だが、それでさえ、彼らはクリアした。 幹線幹線鉄道に「予備用線路」、「非常時線路」と「軍用線路」を通常の線路に付け加える「国鉄8線化計画」を実施。列車砲が国土全てで運用出来る環境を、10年がかりで作り上げてのけたのだ。 日本が解体することなく運べる限界サイズである28センチ砲と40センチ列車砲の量産に取り組むのを後目に、クルップ社から買い取った予備砲身をベースに自国生産した「80センチ列車砲」を後に4両(トール、ロキ、レオポルド、ベルタ)追加していることも、彼らがいかに列車砲に取り憑かれたかの証拠みたいなものだ。 配備から半世紀。 韓国人の誇りとまで言われた列車砲。 日本軍が46センチ砲や50センチ砲の戦艦を作っても、列車砲は作れまい。 その気になれば対馬まで狙えることから、韓国国民がつけた名が、「対馬砲」もしくは「海峡砲」―――砲は彼らのプライドなのだ。 ちなみに砲弾の射撃スピードは毎分2発。 装弾のテンポが著しく遅いように感じるだろうが、実際は違う。 むしろ逆だ。 ドイツ時代のドーラの射撃スピードとは比較にならない程、“早い”のだ。 「第4射撃、完了!」 ドーラ改の真横には、砲撃の衝撃に耐えられるよう、専用に設計された砲弾運搬用貨車と、シールドを構えた4騎のグレイファントムがいた。 装甲はほとんど外され、カラーリングも異なる。 回収用に変更された騎体、“ベルゲ・ファントム”と呼ばれるタイプだ。 「座標修正―――次弾装填開始!」 80センチ砲の恐ろしい程の衝撃を、シールドでしのいだベルゲ・ファントム達の一騎が砲兵司令部の命令に従い、砲身の尾栓を開き、空薬莢を砲から引き出す。 別なベルゲが2騎、砲弾運搬用貨車の両脇に立つと天井の外された貨車から一発ずつ砲弾を取り出し、ドーラの砲身へ装填。さらに別な騎が尾栓を閉める。 この間、わずか30秒。 そう。 クレーンによる揚弾・装填といった作業をすべて砲兵であるメサイアに代行させるという信じがたい方法を採用すべく改良したのが“ドーラ改”。 人間は砲撃位置の修正だけをすればよい。 機械にデータ諸元を入力すれば、あとはモーターと歯車が勝手に砲を動かしてくれる。 そして――― 「第3射、弾着結果はどうなっているか!」 「風に流されている!錨頭2修正!」 何しろ、40キロとはいえ、これほどの巨弾の着弾だ。 トンヘ付近に並んだ2門は近くのテベク山山頂の観測班から着弾はかなりはっきり確認出来る。 「データ入力―――反映!」 「撃てっ!」 ●“天壇”司令部 砲弾が次々と着弾し、地面が抉られる。 「成る程?」 コランタンは感心したように言った。 「我々が一々、穴を掘る必要はありませんな」 砲弾が着弾するたびに、あちこちに巨大な穴が開く。 一々掘る手間が省けるだけに、これは楽だと言わざるを得ない。 「そういうことだ―――“防壁”が破られる可能性は?」 「相手が砲弾とやらを“中和”する必要に気づかない限りは」 「―――そうか。陸戦隊に被害は?」 「ございません。連中の狙いはどうやらこの“天壇”ですが、“防壁”にまだ一発も命中していない有様で」 「しばらくは……大丈夫だな」 「はい」 「うむ……島民の確保、急がせい。島を占領後、バイパスを、“天壇”のエネルギーを確保する」 「はっ」 ●数時間後、ソウル・韓国軍総司令部 「対馬砲はどうなっているか!」 「すでに砲弾を撃ち尽くしました!砲身を交換すべく後退中」 「―――ちっ!糖花島(とうかじま)へ与えた被害は!?」 「皆無!」 「何ぃ!?」 「敵は不可視の防壁を展開、我が軍の砲撃を全く受け付けませんでした。それより、鬱陵島(うつりょうとう)の砲撃による被害が……」 「―――マスコミへは日帝の空爆と説明しておけ。対馬砲に対する信頼を傷つければ陸軍の名誉にかかわる。―――黄司令」 「はっ……」 「偶然にも司令部へ来た君だけが、守備隊の生き残りだ。よく生き延びたというべきだな」 「恐縮です」 「うむ……同族のよしみだと思ってくれ。―――おい、島へは渡れないのか?」 「糖花島に接触して墜落したF-4部隊の二の舞です」 近くにいた士官がそう答えた。 「島との通信は?」 「電波妨害がひどく、通信は一切不能」 「総長!」 将官が通信士官から渡されたバインダーを手に敬礼した。 「島で新たな動きが」 「何だ」 「糖花島が沈降。鬱陵島と接触しました!」 「何!?」 ●“天壇”司令部 ギギッ――― バキバギバキバキバキ……ッ! ズズズズズッ…… 岩が砕け、街が潰されていく。 空から巨大な岩塊が降りてきて、島を潰そうとしている。 そんな、光景だった。 「よし!そのまま降ろせ!」 “天壇”のコントロールを担当する士官が部下に怒鳴る。 「バイパスはすぐ間近だ!よーしっ!速度そのまま!」 「入るよ?」 音もなく開いたドアから顔を見せたのは、アニエスだ。 「ご苦労だな。アニエス大尉」 「ヘン……大尉なんて肩書き、堅苦しくってキライだって、何度も言ってるだろ?ダンナ」 「フッ……そうだったな」 「まいったよ。無理して出したジームの隊がエネルギー切れおこして、結局私達二人で大立ち回りさ……で?これで?」 「ああ。人類の砲弾のおかげでこの島の表層地盤はガタガタだ。この“天壇”の質量で押せば、バイパス口に詰まってた土砂はすべて押し出せる」 「まったく、神族もマヌケっちゃあ、マヌケだねぇ」 グラドロンが座るシートの背もたれにしなだれかかりながら、アニエスは笑った。 「戦後処理に大童だったとはいえ―――敵の武器やエネルギーを封印地点のこんな間近に置くなんて……私なら宇宙にでも放り出しちまうさ」 「そのおかげで、我々が生き残れるのだ」 「マヌケに感謝……」 「そうだ。バイパスさえ開けば、エネルギー切れのため稼働不能状態のメサイア部隊もようやく動かせる。冬眠状態のままの“飛龍”達もじゃ」 「ふふっ……屍鬼(グール)達の不死の軍団。私達の黒死騎士団、そして飛龍軍団。昔を思い出すねぇ……神族相手に大立ち回りを演じたグラドロンの軍団の復活かぁ」 ん?という顔で、アニエスは訊ねた。 「そういや、ここの人間共は?」 「子供や赤子は選別してダユーのラボへ。選別から漏れた者は食料庫行きじゃ」 「年寄りも?」 「これからゆっくり選別しますわ?」 ダユーは楽しげに言った。 「屍鬼(グール)になったのが20万。捕獲出来たのが5万匹。残りはエサになっちゃって……クスクス」 「―――ま、そういうことかい?」 ダユーのラボ 食料庫 エサ ……どういう意味かわかるアニエスにこの時出来たことは、表面上だけは平静さを保つだけ。 それだけで、アニエスは誰かに褒めて欲しいと本気で思った。 鬱陵島(うつりょうとう)への糖花島(とうかじま)接触から72時間後、糖花島(とうかじま)は再び離陸。日本海を日本列島へと移動を開始した。 84時間後、決死隊として鬱陵島(うつりょうとう)に上陸した陸軍兵士達が見たものは、砲撃によって廃墟と化した島と、屍鬼(グール)化した少数の民間人。 鬱陵島(うつりょうとう)被災時に存在したはずの28万人の姿は、島から完全に消えていた。 この事件の翌日。 韓国社会は、日本軍による鬱陵島(うつりょうとう)侵攻と断定。 国際社会が鬱陵島(うつりょうとう)に潜んでいた魔族軍が動いたと断じたのとは一線を画す動きを見せた。 この世論を受け、韓国議会は満場一致で対日全面戦争に向けた権限を李首相に付与。 李首相指揮下の元、韓国軍が動き出すきっかけとなる。 後に、「鬱陵島(うつりょうとう)事件」と呼ばれる出来事が、これである。
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652 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 02 22 34.32 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA 店内は、程よい喧噪に包まれていた。 会社帰りのサラリーマン、大学のサークルに所属する生徒 などといった様々な人々が紡ぎだす、居心地の良い雰囲気。 その中に、一人の女性教師がいた。 655 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 02 26 35.39 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA 年のころは、20代中盤。 容姿端麗であり、道行く人が彼女を見たら10人中10人は振り返るのでは ないかと推測できるほどだ。 もっとも、彼女自身はそうした好奇に満ちた視線は意に介すことはなかった。 彼女――山中さわ子はあることに悩んでいたから。 他のことに気をとられている場合では、無いのだった。 657 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 02 28 41.16 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA はあっと、何度目とも分からない溜息をつく。 物憂げな視線を虚空に向ける。 (……おっそいわねえ) そこには、待ち人が来ないことにたいする苛立ちも多少は 含まれていたのかもしれない。 661 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 02 33 24.79 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA そこで、店内のベルが鳴った。 「悪い、山中! すっかり遅れてしまった!」 その口調から察するに、おそらく彼も同じ教師であろう。 年の頃は、40代。 どこにでもいそうな、中年教師だ。 「……遅いですよ、ホント」 「改めて、済まなかった。 ちょっと急な仕事が入ってしまってな」 彼は、さわ子の隣に腰かけると、ワインを注文する。 「……そして、山中。相談とはなんだ?」 663 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 02 38 03.84 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA 彼女は、その言葉に可笑しくなる。 学生時代のことを思い出してしまったからだ。 思えば、あの時から、さわ子はこの教師を頼りにしていた。 「――うちの部の、田井中と秋山のことはご存じですよね?」 「ああ、あの二人か。そりゃまあ、一度担任を受け持ったこともあるからな。 ……二人が、何かいさかいでも?」 相変わらず鋭いな、とさわ子は感心する。 しきりに相談しに行っていたあの頃から10年程経過しているのに なにも変わっていない。 「ええ……いさかいといえばいさかい、になるのでしょうね」 665 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 02 43 54.20 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA さわ子は、その時の現場を見ていない。 そのため、詳細は知らず、概要だけ理解できた。 それは、文化祭の少し前に起きた。 その日に、さわ子がいつも通りに軽音部の部室に行ってみると どこか様子がおかしかった。 その理由に、すぐに気づく。 「ねえ、律っちゃんは?」 さわ子は、暗い顔をしている部員にその質問を投げかけた。 最初は、誰一人として答えようとしなかった。 666 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 02 48 15.91 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA そんな状況を見かねたのだろう。 「律っちゃんは、調子が悪いと言って、家に」 キーボード担当の琴吹紬が、答えてくれた。 しかし、そんな彼女の口調に普段のおっとりした感じはない。 「そう……大丈夫、かしら」 紬にそう言い、部員を見まわす。 ギター担当の平沢唯は、普段の明るい様子はどこへやら 神妙な顔をしている。 同じくギター担当の中野梓は、何故か猫耳をつけながら 悲しそうな顔だ。 しかし、誰よりもひどかったのは―― 667 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 02 49 44.75 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA 「澪ちゃん」 さわ子がそう声をかけると、ベース担当の秋山澪はびくりと肩を震わせた。 「……辛そうね。何が、あったの?」 670 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 02 51 38.50 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA 「――ほう、それで?」 さわ子は、男性教師に先を促され、説明を続ける。 「秋山は、私が声をかけると、怒ったような顔をしました。 この瞬間に、私は確信しました。 ……発端は、この子だな、と」 671 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 02 54 49.41 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA 「しかし、それが分かっても、私にはどうすればよいか分かりませんでした」 さわ子の声に、少し悲しみが混じったかのように感じられる。 「彼女に問いただすべきなのか、彼女を何も言わずに優しく慰めて あげるべきなのか――答えを出せなかったのです」 私は、彼女たちの指導者なのに、と悔恨の混じった声が続く。 673 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 02 57 06.33 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA 結局その日、さわ子は澪に対して何もできないまま、だった。 どうすればよいか分からず戸惑っているさわ子に 「今日は帰らせていただきます」 と言い、澪は部室を出ていった。 675 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 03 00 48.35 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA 「私は彼女を追いかけることはできませんでした。 その場で答えを出せなかった私に、追う資格なんて無いと思ったから」 彼女の言葉には、悲壮感が漂い始めていた。 これが一般生徒だったならまだしも、自分の受け持つ部の生徒 だったからこそ彼女のダメージは大きかったのだろう。 そんな傷心の彼女に、男性教師は声をかけた。 676 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 03 02 48.93 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA 「――何もしなくて、良かったんじゃないか」 「えっ?」 彼女が驚いたような顔でこちらを向く。 「な、なんでですか? 教師だったらここで、なんらかの行動を 即座に取るべきなのでは……」 「お前は、気を張りすぎてる」 男性教師は、ずばりと言い放つ。 677 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 03 05 56.94 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA 「秋山や田井中だって、もう高校2年。 あの二人の仲の良さは、去年見てきてる。 多少の仲違いだってあるだろうし、それに対して自分たちなりに 解決方法を模索できるだろうさ」 教師はそこで言葉を一旦止める。 678 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 03 07 55.22 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA そして、言った。 「お前に出来るのは、彼女たちを見守ることなんじゃないのか?」 「みま、もる」 その言葉を反芻するさわ子。 「そうだ。お前は部室にいて、彼女たちの輪の中にいてあげるだけで良い。 そうすれば、後は自分たちで解決できるはずだ」 679 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 03 10 09.18 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA 男性教師は思い返す。 ――思えば昔から、気負いすぎる性格だったな、こいつは。 「先生、部員がまとまりません、私の責任でしょうか?」 「先生、部の運営費がまずいです。どうすればよいでしょうか?」 10年前からあまり変わってない彼女を見つめ 男性教師はすこし微笑む。 684 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 03 14 28.33 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA 「……ありがとう、ございました」 さわ子の顔がさきほどとはうってかわって、希望に満ちたものとなっている。 「私、明日部室に行ってみます。 そして、みんなの意見を色々と聞いてみようと思います」 「ああ、それでいいだろう。 あまり事情に深入りするんじゃないぞ」 「はい、そうします」 さわ子は席を立ち 「どうもありがとうございます――先輩。 昔から、お世話になってしまってますね」 一礼し、彼女は店を出て行った。 (……先輩、ねえ) その言葉を聞いて、男性教師は自分の顔が笑っているのを自覚する。 長い付き合いだ、これからも頼られることがあったら こたえてやるとしよう。 (そう、部活の先輩のように、な) 686 先輩・後輩(教師Ver.) sage 07/19(日) 03 18 25.22 ID Hr5soUJf0 (33) ID AA ほど良い気分になり、席を立つ。 そこで、彼女がいた席の伝票に気づいた。 (……) 嫌な予感が、する。 おそるおそる金額を見ると―― (……あいつ!) 「すみません、後払いでおちませんか♪」 「おちません♪」 その後、さわ子はそのいさかいを解決し、結束は強まったそうな。 END
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ヴァルキューレ 作中の解説 ヴァルキューレ警察学校を中心とした自治区全体を指すと思われる。(現在不確定) ヴァルキューレ警察学校の事だけを指すこともある。 トリニティ総合学園、ゲヘナ学園、ミレニアムサイエンススクールの三大校に加え、アビドス高等学校、ワイルドハント芸術学院に囲まれている場所にあるように思われる。 現実の解説・元ネタ 北欧神話に登場する存在(*1) 雑感・考察 関連項目 【ブルーアーカイブ】2nd PV 0 10~0 11にて立地と思われる場所が分かる。 名前
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皇室近衛騎士団のメサイア及び大型飛行艦は、他国のそれとは大きく異なる。 魔晶石を動力とする、Lクラスに分類されるエンジンが精霊を産み出すことはこの世界では常識。 そして、精霊の自我は、メサイア・コントローラーの命じる内容を理解出来、かつ、メサイアの全てを管理出来る、一種のコンピューターとして機能するに留められるのが普通だ。 当然、自我はないに等しい。 兵器として、いや、道具として当たり前のことなのだが――― それを真っ向から否定してのける国がある。 それが、大日本帝国。 つまり、皇室近衛騎士団だ。 少なくとも、美奈代は、そう、教えられていた。 「……」 スピーカーからの二宮の指示が響く雛鎧(すうがい)のコクピットで、美奈代は顔を引きつらせていた。 どうして? 何故? スピーカー越しの教官からの指示が、耳に入らない。 耳にはいるのは、自分の心からの問いかけだけ。 何故? それだけだ。 「……」 「……」 興味深そうに自分を見つめてくる二つの瞳。 それを前にして、他に湧いてくる言葉なんて、ない。 小さな女の子が、操縦者を守る最終装甲を兼ねたモニターカウルにちょこんと座って、自分を見つめているのだから、無理もない。 「ね、ねぇ」 美奈代はようやくのことで女の子に語りかけた。 年の頃は4歳くらい。 大きな目とやわらかそうなほっぺた。 幼稚園児の着るような白いスモック。 「?」 小首を傾げる愛らしい仕草。 どう見ても、メサイアという兵器の中にいるべき存在じゃない。 大体――― 「あなた……どこから入ってきたの?」 閉鎖された狭いコクピット内に、例え子供といえど、潜んでいられる場所なんてない。 違う。 美奈代の目には、少女が突然、目の前に現れたように見えた。 「?」 少女は、意味がわからないらしく、また小首を傾げた。 「泉候補生」 島教官が言った。 「あいさつ位しておけ」 「あ、あの―――」 「ああ……貴様等は、まだ精霊体に会ったことがなかったな」 「精霊体?これが、そうなんですか?」 「これじゃないもんっ!」 女の子は、頬を膨らませて言った。 「私は“さくら”だよ!?」 びっくりして声を失った美奈代に、教官がフォローするように言った。 「近衛が、メサイアや飛行艦に疑似人格を持たせているのは習ったな?」 「は、はい」 美奈代はテキスト通りに答えた。 「魔晶石エンジンは、命令を兵器に伝達させるだけだと、精霊体の本来持つ力が存分に発揮されることはない。疑似人格を与えることで眠っているパワーを引き出す事が出来る」 「50点だ」 教官の評価は厳しい。 「共に戦うパートナーとして疑似人格を位置づけ、自発的な協力を受けることで、人類には引き出すことが出来ない、魔晶石の眠れる力を引き出させるのが、最大の狙いだ」 ―――それを言う前に点数つけないでよ。 と、美奈代は内心でそう毒づいた。 「さて―――」 教官は言った。 「“さくら”?状況は?」 「はぁい!」 少女は手を挙げて、自信満々に答えた。 「ママに聞いてください!」 「―――殴るぞ?」 作戦命令。 それを完全に聞き逃した美奈代は、周囲に合わせる形でメサイアを動かすハメになった。 どんな命令が下されているのか、まるでわからない。 「命令はすでに伝達された」 恐る恐る訊ねた教官からは、後頭部へのバーの直撃と、そんな返事しかもらえなかった。 「さくら……ちゃん?」 「“さくら”、黙っていろ」 教官からそうクギを刺された精霊体―――“さくら”は、救難信号を送る美奈代を、気の毒そうな顔で見るだけだ。 「牧野少尉……どうした?」 先程から、何の報告もしてこないMC(メサイア・コントローラー)に教官は問いかけた。 普通ならそろそろ、何か情報があってもいい頃だ。 「島教官、騎体バランスに気をつけてください」 「バランス?―――こっちでは何も感知していない。動作も問題ない」 「騎体総重量が予定と異なっているんです」 「何?何か積んだか?―――どれくらいだ?」 「予定重量より、4tも」 牧野の言葉を遮るように、“さくら”は顔を真っ赤にして怒鳴った。 「わたし、そんなに太ってない!」 「4トンって、太る太らないの問題じゃないと思う……」 という美奈代の呟きは正しい。 「あのなぁ。“さくら”」 教官は、怒る“さくら”をなんとかなだめようとして失敗した。 ばかぁっ! チビっ! 飲んべえ! 貧乳! ……。 コクピット内では、唖然とする美奈代を後目に、教官と女の子の怒鳴り合いが続く。 それは親子喧嘩というより、子供同士のケンカだ。 「あの……私、どうすればいいんですか?」 「命令通りに動けばいい!おい、このチンチクリン!」 「鏡見れば!?」 「いい加減にしなさいっ!」 コクピットを制圧したのは、MCLにいる牧野少尉の一喝だ。 「何をやってるんですか!」で、始まった説教が二人の動きを封じるコクピット。 美奈代は外に助けを求めるように、モニターの外を見た。 他の騎はすでに移動を開始している。 肩のナンバーから、斜め前方を移動中なのが宗像騎だと知った美奈代は、そっと宗像騎との通話を試みた。 『ん?どうした?』 通信はクリア。HUDの片隅に、宗像の顔が映し出される。 美奈代はこっそりと言った。 「宗像、すまんが」 『どうした?何の騒ぎだ?』 「後ろのノイズは無視してくれ。どんな命令を受けている?」 『ああ……』 モニターの宗像が動き、美奈代の前に作戦図が展開される。 『そっちの家庭事情はこっちから外部操作で開かせてもらったが……右端の戦況確認ボタン一つでわかることだぞ?』 いわれればそうだ。 基本的なミスに気づいた美奈代は、赤面しつつボタンを押した。 「スマン……このまま前進、前方に潜む敵を撃破。なお、戦闘はすべて教官が行う?」 『そうだ。いわば、教官同士の模擬戦に参加して、対メサイア戦がどういうものか、肌身で感じろということだな』 「成る程?」 しかし、そこで美奈代はひっかかった。 「風間はどうなる!」 そう。 風間の乗るメサイアは単座騎。 教官なんて乗っていない。 戦闘に巻き込まれれば最悪――― 『……私も心配だ』 宗像は真顔で頷いた。 『私のスイートハートが教官になぶり者にされるようなことがあれば……そう考えただけで―――』 「考えただけで?」 『濡れてくる』 背筋が寒くなる美奈代の前で、モニターの宗像は身をよじらせた。 『ああ―――たまらん』 「……もう少し、普通に考えていいぞ?」 『私はめい一杯、普通だ。―――それと』 宗像は言った。 『各地に仕掛けられた弱レベルのMLの他にも飛んでくるから、気をつけろ。直撃一回で12時間のメシ抜きだ』 「飛んでくる?」 『―――砲弾だ』 「実弾か!?」 『前哨戦ってことだな。メサイアの装甲の前には無意味だが、我々を嬲るつもりだろうさ』 「宗像―――楽しそうだな」 『ん?』 「危険を楽しんでいるようにも見える」 宗像は、心底楽しそうに答えた。 『そうだ。―――危険とは、怯えるためのものじゃない。楽しむためものだ』 美奈代達が移動を開始して5分後。 そろそろ、演習地は森から平原へと景色を変えようとしていた。 ピーッ コクピットに警告音が鳴ったのはその時だった。 「!?」 「何の音だ?」 教官の質問に、美奈代は答えた。 「実体弾の飛来警告です!砲はFH99!弾種ロケット弾!」 後頭部に見えない手を展開しつつ、美奈代は答えた。 「有効範囲は?」 「約80キロ!」 「どうする?」 「移動、もしくは―――っ!!」 ドドンッ! 爆発音が雛鎧を揺るがしたのは、まさにその時だった。 ガンッ! 美奈代は後頭部の痛みに気を失いそうになった。 「このバカもんっ!」 教官が怒鳴る。 「いちいち答えてるヒマがあるなら、さっさと動かんかっ!」 「も、申し訳……」 こぼれる涙を堪えながら、美奈代は騎体の状況を確かめた。 雛鎧は、とっさに片膝をついてバランスをとりつつ、シールドで頭部をガードする姿勢。 教官が自分から瞬時にコントロールを奪い、とった姿勢であることは、美奈代にはわかる。 「砲撃の後、どうするっ!」 「戦闘態勢に」 雛鎧を立ち上げようとして、美奈代は騎体が動かないことに気づいた。 「―――えっ!?」 コントロールユニットを操作するが、騎が全く動こうとしない。 「“さくら”!どうして立ち上がらないの!?」 思わず怒鳴る美奈代に、“さくら”は半分、泣き顔で言った。 「腰が抜けましたぁ……」 「このバカっ!」 「バカもんっ!」 ガンッ! 美奈代の後頭部を再びレバーがどついた。 「“さくら”!こんなことは山ほど経験してるはずだ!」 ガンッ! ガンッ! ガンッ! 教官が怒鳴るたびに、美奈代の後頭部に激痛が走る。 「いい加減にしてくださいっ!」 美奈代はたまらずに怒鳴った。 「ここは自分ではなく、“さくら”を叱ってください!」 「叱ってるだろうが!」 「レバーを押さないで下さいっ!」 「クセだ、気にするな!」 ガンッ! 「ううっ……」 「泉候補生」 「グスッ……はい?」 「12時間、メシ抜き確定だ」 「そんなぁ!」 軍隊の数少ない楽しみ。 それは、メシと睡眠。 冗談抜きでそういうものなのだ。 それを取り上げられた美奈代は泣き顔で叫んだ。 「あんまりですっ!」 「あーあ。俺達はこの後、行きつけのおでんやで打ち上げだぁ」 教官は晴れ晴れした声だ。 「屋台のおでんって、おいしいんですか?」 さくらは興味津々で訊ねた。 「ああ。あれで一杯は最高だな」 「私も食べたいですぅ」 「ど、どうやって?」 「―――はぅぅぅぅっ」 『泉』 モニターに宗像が映る。 『状況、わかってるな?』 「状況?」 『泉』 タダでさえ低い宗像の声のトーンが落ちた。 『後でシメるぞ』 「すまんっ!」 美奈代は戦況モニターを開いた。 周辺の地形図と自分達の現在位置が映し出される。 10騎全騎が、今は無事。 そして――― 「丘陵の向こうに3騎」 『それだけじゃない』 それは、初めて聞く宗像の声。 宗像は緊張していた。 『教官達が状況を変えた』 「状況を?」 戦況モニターの上。 そこに映し出された最新情報にようやく気づいた美奈代は、我が目を疑った。 「被弾により―――教官全員戦死!?」 思わず振り返った美奈代は、後ろで知らん顔を決め込んでいる教官の顔を見た。 「い―――」 生きている! そう叫びそうになった。 それはあくまで仮定の話。 現実ではない。 それはそれでわかるのだ。 「パパ―――死んじゃったの?」 “さくら”が心底嬉しそうな顔で美奈代に尋ねた。 「い、一応、そういうことになっている」 「やったぁ!」 ガンッ! 美奈代は、バーの一撃をモロに喰らった。 「な―――」 美奈代はその痛みを忘れたように怒鳴った。 「何考えてるんだ!ウチの教官共は!」 ガンッ! 「―――“さくら”っ!」 「は、はいっ!」 「これ以上バー使ったら、後ろを射出!射出確認後、MLで狙撃!」 美奈代の目は本気だ。 「―――殺せっ!」 「いいんですか!?」 “さくら”は美奈代の命令に、目を輝かせた。 「いいっ!」 ピクッ バーに手をかけたものの、躊躇しているのが、後頭部の感触でわかる。 「例え教官といえど、死人から殴られるいわれはないっ!」 「―――あーあ。お姉ちゃん、ブチギレ」 “さくら”は青くなったり赤くなったり忙しい教官に言った。 「パパが悪い」 「……何もしてない」 「しないから悪い」 「―――ったく」 美奈代はブチブチと言い続けた。 「初の実騎訓練だぞ?普通なら歩行だの基礎的なことやるべきだ。シミュレーションと現実のギャップを」 『泉っ!』 今度は早瀬からだ。 『何してるんだよ!早くどうするか決めてよ!』 「―――えっ?」 『命令読んでないのか!』 都築だ。 『俺達は、自力であの敵を撃破しなくちゃいけねぇんだ!お前が隊長だぞ!』 「なっ!?」 『美奈代さん』 美晴だ。 『しくじったら、48時間のメシ抜き。卒業までの外出止めですよ?』 「死ねというのか!」 『それはそれで言い過ぎだけど……』 「―――数はこっちの方が上だ!」 美奈代は言った。 「1対3で行く!1騎に対して3騎!それなら最悪5分まで!」 「1分にもならん」 後ろの教官が、ぽつりとそう言った。 「パーティを組め!」 美奈代はそれを無視した。 「弱いのはわかってる!」 そして、怒鳴った。 「弱者こそが強者を倒すことが出来る唯一の存在だ!格好悪くていいから、勝ってメシ喰ってフロ入って寝るぞっ!」 『風間と同衾を要求する』 「風間に聞けっ!神城達は三人で一組!私と都築、柏!宗像と山崎、早瀬で組め!風間、後方で待機!」 『えっ?』 祷子が驚いた顔をモニターに映した。 「危険なパーティの支援に回れ!―――いいかっ!」 美奈代は気合いを込めて怒鳴った。 「教官達は気にするな!ここで我々がダメになれば、候補生を無駄死にさせたとして、教官達の年金をパーに出来るっ!」 ギクッ! 後ろからそんな音がした。 それを無視した美奈代は続けた。 「降格に減俸、それが理由の家庭崩壊!」 ギクッ! 「全部無視しろっ!教官は無視だっ!どうせ我々の金じゃないっ!」 ギクッ! 「日頃の恨みを晴らせっ!隊長騎はどれかわかるか!?」 「マーカー、C騎です」 MCLの牧野少尉から声が入る。 「装備は共に第一種装備の「幻龍」です」 MDIJα-015「幻龍」 近衛騎士団のメサイアの代名詞。 雛鎧のベースとなった「征龍」の後継騎。旗騎「水龍」の流れも加わり、パワー・装甲。共に「征龍」より格段に上のはず。 性能では――― 「―――“さくら”」 美奈代はコントロールユニットを握りしめながら訊ねた。 「いけるか?」 無意識に自分の口から出た言葉に、美奈代は頷いた。 そうだ。 行くしかない! 美奈代はそう決意した。 勝てるはずはない。 それは明らかだ。 だが、 いつだって、 どんな時だって、 絶対勝てるなんて、誰にも言えないんだから。 勝てないんじゃない。 負けないんじゃない。 私は、違う!私達は、やることをやるんだ! 「はいっ!―――“マスター”!」 “さくら”は目を輝かせ、楽しげに言った。 「いざとなったら私をかついで逃げて下さい!」 「自重何百トンあると思ってる!」 「ううっ。ヒドいですぅ。女の子に体重の話するなんてぇ……」 「疑似人格じゃなくて、三次元上で、自分がどんな格好しているかいっぺん見なさいっ!」 「ううっ。こんな色白なのにぃ」 「色白って―――ペンキだろうが」 やりとりを聞いていた教官がポツリとそう言ったのを、“さくら”は聞き逃さなかった。 「ペンキだなんて、ひどいです!TP-45W特殊ペイントです!。HWワックスだってかかってますぅ。全身のお化粧代だけで、パパの○○ハダシ、ミジメすぎる薄給よりかかってるんですよ!?」 「ちくしょぉぉぉっ!」 その一言に、教官はキレた。 「それでオレは家族4人養ってんだ! 長女は今年大学受験! 次女は中学、長男は幼稚園だ! おれの悲哀を……家族のために身を粉にしているオヤジの悲哀を……!! ぬがぁぁぁっ!! リーマンナメんじゃねぇぞっ! このクソガキぃぃぃっ!」 「わーんっ!児童虐待で通報してやるぅ!」 「……」 いい所まで行っていたのに。 そう思った美奈代は、決意を再計算した。 「3騎同時に攻撃っ!それでいいなっ!?」 結局、やるしかない。 再計算はそう結論づけた。 『待て』 止めたのは都築だ。 『全騎、回線を隊内へクローズ』 「都築?」 『3騎同時なんて教官達はとうにお見通しだ』 「だから―――」 『だから』 どこか楽しげに都築は言った。 『予想もしないほど、卑劣に行くんだよ―――俺達は殺し合いをしてるんだ。オリンピックに行くわけじゃねぇ』 「卑劣?」 『ああ―――』 都築は作戦を話した。 『クックッ……成る程?』 聞き終えた宗像が喉を鳴らして笑った。 『それはいい』 『こら都築っ!』 都築の後ろで教官が怒鳴るが、 『スミマセン。死人は発言しないでください。規則ですから』 『都築っち!』 一葉は興奮気味だ。 『それならなんとかなるかも!』 『だろう?』 『で、ですけど』 山崎はどこか不安げだ。 『相手は歴戦。しかもメサイアは弾丸すら避ける』 『こっちも同じだ!』 都築は怒鳴った。 『歴戦かどうかより、歩き回れるかを心配するんだ!バランスはMCにサポートを頼め。MCが使えなければ自爆装置作動させてやればいい!』 『ロマンですね』 『風間、わかってるな』 『ふふっ……自爆はロマンです』 『で、誰がやるのよ?』 早瀬も興奮気味だ。 『決まってる』 美奈代は言った。 『ここから一気に敵前200メートルまで疾走。その中で最もバランスがいい者がやれ。各自、そこまででメサイアに慣れろ』 『たった2キロの疾走でメサイアに慣れろぉ?』 早瀬のため息混じりの声を否定する者はいない。 だが、状況が状況だ。 『やるしかないよねぇ』 「早瀬、そうだ」 『じゃ!』 双葉が言った。 『美奈代っちと都築っちのカップルの発案、早速実行っ!』 「よしっ!』 美奈代は騎を動かしかけて、そのコトに気づいた。 「まっ、待て!双葉っ!何だそのカップルってのは!」 『あーっ!美奈代っち顔真っ赤!』 「光葉!う、うるさいっ!」 『とにかく行くぞっ!』 都築は怒鳴った。 「敵、射撃開始!」 『メシ抜きは御免だぞ!』 「―――“さくら”っ!」 「バランスに注意して!―――全ウェポン、セフティ解除!各部コンバットモード引き上げ!マスターフレーム、オン!各部同調良好!―――行けるよっ!」 “さくら”の報告に力強く頷いた美奈代は雛鎧を前進させた。 10騎のメサイアが、大地を蹴った。
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「この世界の戦争は、土地や人民を手に入れる国家間交渉の一手段とされている。その為に被害を最小にする目的で戦争代理人として騎士、そしてメサイアが用いられる。 何故?―――当然だからだ」 教壇に立つ教師―――長野教官は、そう語る。 「考えても見ろ」 その眼は、教室にいる全員を押さえつけるかのごとく、危険に光り輝いている。 「誰が黒こげになった土地など欲しがる? 誰が廃墟になった都市など欲しがる? 誰が難民となった市民など欲しがる? 欲しいのは、そのままの土地と人なのだ。 さかのぼること約半世紀前、敵地を焦土にし、敵国の国力を奪う焦土主義が広く流布していたのは事実だ。 それがいかに間違いであったかは、あの戦争の後始末が教えてくれた! あの忌まわしき北米大陸戦争―――赤色戦争において、戦勝国となったプロイセン、ブルボン、ヴィクトリアといった世界に冠たる帝国は、戦いで荒廃した占領地の復旧といういわば後始末のためだけに戦費を上回るほどの莫大な費用の捻出を余儀なくされ、結果として、10年と経たない内に敗戦国だったアメリカに喰われた。 戦で勝ちを収めたにもかかわらず、その後で負ける。 まさに真の負け戦というべきだろう。 その苦い経験があればこそ、世界は変わった。 銃の発展に伴い、戦場の檜舞台から降りたはずの我ら騎士が再び返り咲いた。 一般兵で編成される軍隊を前面に出すのではなく、我ら騎士という選ばれた者達が、あらゆる被害を最小限に抑えて戦争を終わらせる。 それを台無しにしてくれる艦隊戦や空爆なんて多大な被害が予想される作戦は、サル以上の脳みそがあれば原則行わない。 平気でそんなバカは、アメ公か中華主義者にやらせておけばいい」 教官は、そこまで言うと、教壇を降りた。 「いくら貴様等がクソでも、ここにいる以上、こんなことは百もご承知とは思う」 檻の中に閉じこめられた熊のように、教官は机と机の合間を歩きながら言う。 「貴様等ウジ虫のクソ溜が、あろうことか畏れ多くも天皇陛下よりお預かりすることになるだろう、それがメサイアだ」 生徒達はテキストを読むフリをして息を潜めている。 「騎士の手足となり、あらゆる敵を殺す世界最強の兵器。どんな攻撃にも耐えうる万能の鎧に身を固め、計り知れぬ力で居並ぶ敵を叩いて砕く。決して倒れる事もなく死ぬ事もなく、ただひたすら操縦者の意のままに闘い続ける不死身の兵士。海であろうが空であろうが闘う場所を選ばない。勝利する事のみを目的とした完全なる兵器―――そして、その裏付けとなる現代魔法技術の昇華」 教官は目的もなしに歩いているのではない。 教室の端まで来ると、くるりとターンして、別な隙間を歩き、目的地を目指す。 「1950年代の東南アジア動乱。ケサン攻防戦がメサイアのデビュー戦となったことは知っているだろう。後先考えずに、物量だけで民間人を巻き込みながら戦う、あの芸のないヤンキー共の顔面に、彼らは痛烈な一撃を加えることに成功した―――わずか、10騎のメサイア、「スターリン」によってな」 ピタッ 教官の足が止まる。 その視線の先にいるのは――― 「祷子……祷子ってば」 横に座る生徒が定規を使って脇から突くが、肝心の生徒は微動だにしない。 机に突っ伏す長い髪。 騎士にしては小柄な体つき。 間違いなく、女性だ。 「メサイアはご存じの通り、人型兵器だ。 考えてみれば当たり前の話だ。 その道具が使えるか、使えないかの分かれ目は道具の使い方、ノウハウがどれだけ蓄積されているか、そこに集約される。 そして、兵器としてのノウハウがもっとも蓄積されているのは、何と言っても「人体」だ。 各種格闘技、刀剣や銃を用いた戦闘。人類は長い歴史の中で「人体」の使用方法についてノウハウを蓄積してきた。 戦闘機や戦車など、人間以上の存在に関するノウハウの蓄積など、せいぜいここ100年足らずしかないだろう。 しかも、性能自体が次々に変化する「乗り物」系兵器に対し、「人体」は有史以来大きな変化がない。つまり、過去のあらゆるノウハウが、いかに性能が上がろうと、基本的に全て使用可能なのだ。 その意味で、人間にとって、人型兵器が、もっとも使いやすい道具であるのは、ある面当然なのだが……」 隣の生徒は、定規で突くことを止め、テキストに目を落としている。 「その最強の兵器を使う貴様等ヒヨコ(パイロット候補生)の中には、その意義どころか、ここにいる理由すらわかっていないバカがいるらしいな……」 教官の額には青筋が走り、体から発せられる怒気が周囲の温度を急激に冷やす。 クシャンッ 可愛らしいくしゃみの音が室内に響き、机に突っ伏していた生徒が起きあがる。 「あ……あれ?」 まだ授業中なのに驚いているのは明らかだ。 そして、後ろを振り向くなり、教官と視線が合った彼女は、気まずそうにやや引きつり気味な作り笑顔を浮かべる。 教官は、震える声で、それでも紳士的な言葉を口からひねり出した。 「お目覚めかな?候補生」 「まったく!」 バンッ! 職員室に戻ってきた先程の教官は、苛立たしさをこめて教本をデスクに叩き付けた。 「長野教官、どうなさったのですか?」 横のデスクで書類仕事をしていた女性教官が訊ねる。 「候補生達に、何か問題でも?」 「問題ばかりですよ!」 教官―――長野雅也(ながの・まさや)大尉は、乱暴に椅子に腰を下ろしながら言う。 「また、あの風間です!」 「ああ。あの、鳴り物入りの?」 女性教官、二宮真理(にのみや・まり)中佐は、生徒達の履歴から該当する名前を思い出した。 「そうです。あの“ボンクラちゃん”です」 「“ボンクラちゃん”?」 「生徒達がそう呼んでいるんですよ。無理もないですけど」 「生徒同士で、愛称で呼ぶのは禁止されているはずですが?」 「固いことはいいっこなしにしましょう」 「長野大尉は、生徒達の肩を持つおつもりですか?」 「こういうことだけはね」 長野は肩をすくめてウィンクしてみせる。 不服そうな二宮は言う。 「それで?何ですか?もう明日には生徒達はシミュレーター訓練に」 「今回の選抜は、絶対に何かの間違いだと、そう言っているのです!」 ダンッ! 長野はデスクに拳を振り下ろし、荒い語気でまくし立てた。 「大体、なんなんですかあの面子は!俺はいつから女子校に配属になったんです!?」 「メサイアの操縦に筋力は必要ないですからね」 二宮はニコリと微笑みながら長野に答えた。 「メサイアのセミ・トレーサー・ライド・システム(STRシステム)はバネ仕掛けではないんですから」 「俺はそうであったらどれほど素晴らしいか。そう思っていますよ」 長野はそっぽを向きながらそう答える。 「とくに、あの“ボンクラちゃん”と来た日にゃ」 顔は苦々しげに歪む。 「―――あいつが芸能人養成の学校にいたことは知っています!ですけど、ですけどね?メサイアって、どんなものか位は知っていて当然でしょう!? それが、最初の基礎講習では…… 俺『以上が、メサイアの運用する兵器の基本構造だ。何か、質問は?』 ボンクラ(以下、ボと略してやる!)『あのぉ』 俺『風間候補生、何だ?』 ボ『ロケットパンチは、ないんですか?』 俺『あるかっ!』 騎体構造の授業になればなったで…… 俺『以上、メサイアの基本構造だ。質問は』 ボ『メサイアって、ガソリンで動くんですか?』 俺『……いつ、俺がそんなこと言った?』 ボ『だって、エンジンって……』 サバイバル訓練になればもう…… 俺『以上だ……風間候補生』 ボ『はい?』 俺『頼むから、何も言うな』 ボ『あのぉ……私、サバイバル訓練って、テントの張り方とか食料の確保の仕方を習うのかと思ってたんですけど』 俺『テントで敵が殺せるか!?』 しまいにゃ…… 俺『メサイアで戦うこととは何かわかっているのか!?風間候補生!』 ボ『えっと……ロボットに乗り込んで戦うリアルロボット対戦ゲーム?』 ……。 そうです。 あいつは、絶対にどこかおかしいんです。 そんな奴が、軍隊に入ること自体、何かの間違いなのです。 そうは思いませんか?」 「し、史上最強のギャグですよ……ププッ……それ」 吹き出すまいと必死に堪えつつ、二宮は震えながらそう言った。 「ロボットに乗り込んで戦うリアルロボット対戦ゲーム?な、成る程?」 「笑い事じゃありませんって」 「まぁ……懸念はわかりますよ?」 二宮は言った。 「貴重なメサイア、それをあんな若い女の子達が動かす。それが気に入らないんでしょう?戦場は女の死に場所じゃないって」 「……悪いですか?」 「いえ?ヒロイックな視点からすれば正しいと思います。ですが、これは日本全国の可能性のある全員を選抜した結果であること。その結果として、彼女達がこの養成過程に在籍していること。なにより、我々には、教育課程参加に関して、生徒を選別する権限は与えられていない。あくまで送りこれてくる殻付きのヒヨコ達を、どう猛な猛禽に変えてやる。それが我々にとっての全てですよ」 「……まぁ、そういうことにしておきましょう」 長野は深いため息と共にいかつい肩を落とした。 「バカでも(ピー)でも、使えればいいんですからね」 「もうっ。そういう口の悪いところ、直した方がいいですよ?娘さんにまた嫌われますよ?」 「何」 長野は苦笑してそれに答えた。 「長女の口の悪さと来たらこんなもんじゃありません。何度殴りそうになったか……。聞いてくださいよ。あいつ、私立行きたいなんて言うんですよ?しかも医学部」 「あら。いいじゃないですか」 「よくありません!」 長野は目を丸くして抗議した。 「学費、いくらかかると思ってるんですか!?俺が近衛軍医科大のパンフもっていってやったら、“行かない”の一言で斬り捨てられて!」 近衛軍医科大学は、近衛軍の軍医養成機関。在学中の学費と生活費は免除。ただし、軍隊同然の厳しい規律と、卒業後かなりの年数、軍医としての勤務が強いられることで知られる、帝国でもトップクラスの名門医科大学だ。 「軍隊は、いつだって子供達には好かれませんからね」 二宮は自嘲気味に口元を歪めた。 「かくいう私も、あの子達位の年頃には、近衛なんて絶対イヤだ!って言ってた口ですけど」 「泣く子も黙る二宮教官の言葉とも思えません」 「まぁヒドイ」 「ところで」 長野は声のトーンを落とした。 「教官、どう思います?」 「えっ?」 「例の作戦ですけど」 「アフリカですか?」 「決行日が決定したそうです」 ●翌日 「シミュレーター。これが本物なら、貴様等の棺桶と呼ぶところだ」 富士学校の一角に二宮の声が響く。 トラックがそのまま走れそうなほど広く、最低限の照明でようやく室内がわかる程度の明るさしかないその室内にあるのは、飛行機のコクピット部分だけを切り取ってきたような白い機械の塊。 その塊の各所に繋がれたケーブルと、下回りを支える複雑なアブソーバーやスプリングが、一体どういう使い方をするか、何となくわからせてくれる。 つまり、日常において定義される「普通でマトモなこと」には決して使われない。 そういうことだ。 「メサイアのコクピットで五体満足な死体が残ることはほとんどない」 二宮は言った。 「挽肉にされるか、生きたまま火葬されるか……口さがないアメリカの騎士達が、メサイアのコクピットを“挽肉製造器(ハンバーグ・メーカー)”や“未亡人製造器”と呼ぶのは伊達ではない」 それを聞く候補生達は顔色一つ変えることはない。 目の前の教官の言葉を、単なる脅しだと思っているからだ。 二宮は顔をしかめた。 彼女は決して嘘や脅しを言っているのではない。 そうやって死んだ仲間を、実際に見聞している。 つまり、事実を言っているのだ。 だが、その経験のない候補生達は、どれほど言っても、コクピットで騎士が挽肉になるなんて想像さえ出来ない。 「……まぁ、いい」 二宮は諦めている。 新米教官だった頃は、蕩々と言葉の意味を説教したものだが、すでに無駄だと悟っているのだ。 ただ―――はったりだと思われるのだけは、面白くはない。「今日、貴様等の乗るのは、単なるシミュレーターに過ぎない。何かの間違いで、本物に乗った時には、私が言っていることが正しかったと理解するだろう―――多くは、死んだ後に」 二宮はそんなイヤミを言うだけに止めた。 「全く……お前達と来た日には……他の分隊は全部、実騎搭乗訓練まで行っているというのに、これからシミュレーター搭乗なんて、恥ずかしいと思え」 「はいっ!教官っ!」 「……返事だけは一人前なんだから」 二宮は教本を開いた。 「操縦方法は、座学で教えた通りだ。もっとも。座学ではご不満らしく、独特な睡眠学習で勉強していた者もかなりいたが」 二宮の前で整列する候補生達は直立不動の姿勢を崩すことなく、健気なまでに教官のイヤミに聞き流している。 「まぁ。どっちにしろ、我々教官は、教えることは教えたつもりだ」 二宮はあえて教え子を突っぱねるような口調になった。 「限られた時間の中で、ただ聞く人形をやっても何の意味もないことは、これまでの訓練の中で骨身にしみているだろうし?これだって、単なるオモチャのつもりなら、待っているのは、貴様等の確実な死そのもの。それだって百もご承知だな?」 「はいっ!」 訓練生達の返答を聞いた二宮は、手元の資料をめくりながら言った。 「まず、本シミュレーターは、メサイアの動きを完全に再現するために、コクピット回りを構成するものだ。だが、単にコクピットの形だけを再現しても何の意味もない」 訓練生の何人かが、首を傾げた。 「早瀬。意味がわからないという顔をしているな」 「はぁ……」 早瀬さつきは首を傾げながら言った。 「シミュレーターって、コクピットを再現して、その操縦に慣れさせるための装置ではないのですか?」 「ふむ……本来なら腕立て20というところだが、まぁ、いい」 青くなる早瀬は、小さく安堵のため息をついた。 「メサイアを操る以上、メサイアの高い機動にパイロットはついていかなければならない。しかも、かなり厳しい動きに、だ」 候補生達の顔は、一様に「わかっている」という顔だ。 「だからこそ、このシミュレーターは、メサイアの機動を完全に再現出来るように作られている。具体的には、各種G、振動、衝撃―――これらによりメサイアが受けるダメージが、操縦システムを通じてパイロットにダイレクトに来ることは、座学で説明済みだな?泉」 「はい」 「時には、下手をすれば廃人になる程度では済まない程のダメージを求める、擬似的な実戦を搭乗者に味わわせるための装置。メサイアの“負”の部分を前もって味わわせる。それがコイツだ。単に操縦を知るという、“正”の部分のみに目を向けて、デパートの屋上にあるオモチャと一緒に見るな」 「……」 候補生達から返答はない。 「よし。数の問題がある。ペアを組め」 早瀬さつきが搭乗することになったのは、シミュレーター2号機。 ペアは祷子だ。 「じゃ、準備開始するよ?」 シミュレーターの前に立つ整備兵の一人が、手元の装置をいじり出す。 シミュレーターの前面部分が二つに割れ、中からシートがせり出してきた。 「あれ?」 それがさつきには疑問だった。 「コクピットって、上から入るんじゃなかった?」 「それは実騎」 整備兵は言った。 「実騎はすでにパイロットの身体的特徴にあわせたセッティングがされてるけどさ?不特定の騎士が乗るシミュレーターではそうはいかないだろ?その関係で、あえてシステムをコクピットから引き出して、騎士の体格に合わせてセッティングする。―――ま、他の国じゃ、こういうタイプのコクピットの方が一般的だけどな」 「近衛のコクピットは、もう、その騎士専用にセッティングされてるの?」 「Lサイズの服しか着れないヤツに、Sサイズの服を着ろって命じているようなモンさ」 「なるほど?」 ほら、さっさと“ブーツ”に脚入れて―――思ったより短けぇな……痛てぇっ! 「騎士の動作を最大限活かすために、騎士の身体情報やクセを元にグローブやブーツは絶妙なセッティングがなされる。言い換えれば、それほど厳しいセッティングがなされているから、そのメサイアを他の騎士が動かそうってしても、そうそう上手くいかないってことさ。ほれ、腕部セッティング完了―――腕振ってみな」 「へぇ?思ったよりずっと軽い」 さつきは自分の腕を覆うゴツイ操縦システムを軽く振ってみた。 腕が包まれ、軽く引っ張られる感じはあるが、ほとんど重さを感じない。 まるで手袋付きのジャンパーに腕を突っ込んでいるような、そんな感じだ。 「綿みたい」 「だろ?」 そのさつきの答えが気に入ったのか、整備兵はニンマリと笑った。 「帝国のメサイアは世界で一番操縦に優れているんだ。ロシアのスターリンや、まして中華の“赤兎(せきと)”じゃ、こうはいかねぇ。あんなのは大リーグ養成ギプス並のシロモノだからな」 整備兵は胸を張っていった。 「これが帝国クオリティだ!」 「ふぅん?」 さつきは、少しだけ感心したように言った。 「じゃ、近衛のメサイアは、乗っ取られる心配もなければ、操縦系も他の国に比べて格段に優れていると」 「開発費年間数千億オーバーはダテじゃねぇからな」 「……税金の無駄遣い」 「二宮教官に言ってやろうか?」 「……教官達には、黙っていてね?」 「今日、暑いなぁ」 「……冷たいジュース、差し入れるから」 「ペット5本で」 「……わかったわよぉ」 「よし。商談成立―――で、グローブとブーツ装着したら、このブレストガードとヘルメットが下がる仕組みで……嬢ちゃん、胸までないのかよ―――グアッ!?ブ、ブーツで蹴るか!? コクピット。 そう言われれば、 座席があって、 レバーがあって、 ペダルがあって、 計器類があって、 ……そんな光景を想像するだろう。 メサイアのコクピットは違う。 座席はないに等しい。座席の代わりに、脊椎を固定するパーツがあるだけ。 そこを中心に、手を突っ込むパーツと、脚を突っ込む場所がある。 一般には、これを総じて“コントロールユニット”、もしくは単に“ユニット”とか“システム”とか呼ぶ。 ユニットを動かす騎士の四肢の動作を信号として読みとり、メサイアに伝達するセミ・トレーサー・ライド・システム(STRシステム)によって、メサイアの動きとして反映させる仕組みだ。 前進後進は、これをつけたパイロットの脚を動かすことで行われるし、手や腕の動きは、上半身部分のシステムの検知結果がダイレクトに反映される。 「腰を固定された状態でジタバタやって、それで敵を倒せ―――要はそういうことさ」 システム各部をさつきの体に合わせてセッティングしながら、その整備兵は言った。 「最初は慣れないかもしれないけど、後は場数だよ―――胸、きつくないか?」 「大丈夫。ありがと」 年頃の女の子としては、男に体をベタベタされるのは嫌だが、しかたのないことだと、さつきは割り切りながら答えた。 「コントロールユニットのうち、俺達がグローブって呼ぶ腕部操縦システムや、ブーツって呼ぶ脚部操縦システムから体を離していれば、その間は騎士の動きはメサイアに反映されない。だから、起動シークエンスとか、そういったことは、システム装着とは別にやってくれよ?でないと、メサイアが一生懸命、空中を押すなんて無様なことやらかすことになるからな」 「ププッ……そんなバカいないでしょう?」 「それがいるんだよ……慣れないと。それと」 なぜか教官達の方をちらと見た整備兵がさつきに渡したのは、ビニール袋だ。 「何?」 「すぐにわかる」 整備兵は、意味ありげな顔で言った。 「頼むからこいつで済ませてくれよ?後始末、俺達なんで」 何でこんなものが必要なんだろう。 それはイヤでもわかった。 起動手順はクリア。 スイッチや計器類が書かれた紙を壁に貼り付け、二宮の指導の元、指が痛くなるほど押し続けた賜(たまもの)だ。 後はシステムを動かすだけ。 恐る恐る脚を動かし、メサイアの動作を表示するモーションモニターの端に表示されるメサイア稼動情報表示を見る。 一歩踏み出していた。 また一歩。 また一歩。 歩いている。 世界最強の兵器が自分の意のままに動くことは、さつきにとって新鮮な感動だ。 「すご……」 モニターが映し出すのは、疑似環境。 手足が動く感覚が、皮膚越しに伝わってくる。 その感覚は、スノーボードを趣味とするさつきから言わせると、あの分厚い防寒服であるスノボウェアを着ているのとよく似ている。 それでも、メサイアが手を動かし、歩くというのがどういうことか、さつきにきちんと教えてくれる。 わずか1分足らずで、さつきはメサイアの感覚に慣れてしまった。 もっと揺れるかと覚悟していたが、魔法により完全に近い慣性制御が施されたコクピットは、システムが微弱な揺れを情報として伝えてくる程度で、この程度の動作では全く揺れないに等しいと、冷静に判断する余裕さえあった。 掌を見ようと右手を動かすと、モニターの向こうでメサイアの手が動き、首を動かせばメサイアの視界がそちらの方向へ動く。 「こういうものなんだ……」 『早瀬候補生』 通信機に教官の声が入る。 「はい」 『歩行訓練はクリアした。これからは戦闘機動に移ってもらう』 「戦闘機動?ま、待ってください!私、そんなの!」 『すべてオートで行われる。その際のシステムの動きを、今のウチに味わっておけ―――やりたきゃマニュアルでもいいぞ?』 そんな無茶な! 私はまだ歩ける程度だよ! そんなさつきのもっともらしい抗議は、言葉にすらならなかった。 「大丈夫ですか?」 シミュレーターから降ろされ、床にノびたさつきの顔を心配そうにのぞき込むのは、ペアを組んだ祷子だ。 同性として羨ましいを通り越している美貌の持ち主である祷子の顔を間近で見られるのは嬉しい限りだが、時と場合にもよる。 「……死んだと思った」 そういうのが精一杯だ。 胃の中のものは全て戻してしまった。 グローブに腕をとられてビニール袋を開く暇すらなかった。 今朝に限って、教官達がやたらと「メシちゃんと食え!」と言って回ってきた理由がわかった。 最後には胃液すら出なかったが、あれは辛かった。 「そんなに揺れるんですか?」 「最初がウソみたい……戦闘機動に切り替わった途端、振動とか、とにかく全部がすさまじくシビアになって……」 「はぁ」 祷子が辺りを見回した視線の先。 先程、先発でシミュレーターに乗って、今、立っているのは美奈代だけだ。 「泉さん以外、みんなぐったりされています」 「あいつ、バケモノよ」 「敵2撃破ですよ?スゴイです」 「私の気絶回数は……そんなもんじゃない」 「ふふっ……」 笑う祷子に、さつきは気づいた。 「美奈代、戦ったの?」 「というか……突然、他人の楯なんてごめんだって、マニュアル操縦を」 「突発的に出来ることなの?戦闘機動よ?」 「普通の人にケンカが出来るかどうか―――その問いと同じだって二宮教官は言ってました」 祷子はなぜかペロリと舌を出した。 「同じ事、教官に聞いて怒られちゃいました。座学で何を学んでいた!って」 「ふふっ……声マネ似てない」 「あら。ヒドイ」 笑おうとして吐き気に襲われたさつきは、口元を抑えながら言った。 「私も戦えば良かった……そう言いたいけど、こんなの、人間の乗れる代物じゃない……」 「スピーカーから、皆さんの悲鳴が聞こえてましたけど……」 「あんたも乗ってみればわかる」 そういうものか。 祷子は、かなり待たされてシミュレーターに乗った。 先発の候補生達がコクピット内部に盛大に吐きまくった後始末のせいだ。 「ボンクラちゃん。大丈夫かい?」 搭乗するのが、候補生であることそのものが何かの冗談とさえ言われる祷子だ。 さすがに整備兵達も心配なのか、セッティング中に何度もそう訊ねてくる。 「はい」 消臭剤や消毒用のアルコールのにおいがツンと鼻を突く中、祷子は、何も考えていないとしか言い様のない微笑みで答えた。 「ご飯、ちゃんと食べましたし」 「そ、そうかい」 整備兵は、少しだけ安堵の表情を見せた。 ちらりと他のシミュレーターを見ながら、整備兵は言った。 「あーあ。神城の嬢ちゃん達、泣いてるぜ?」 「まぁ。大変」 「すぐにボンクラちゃんも大変になるんだからよ……よしっ。出来た!」 問題は、むしろ外で起きた。 それは、祷子がシミュレーターを起動し終えた瞬間から始まった。 『風間候補生、待て』 モニターにシミュレーション中断を告げる表示が出る。 「え?」 祷子はきょとん。として動きを止めた。 システムはオールグリーン。 警告表示は何一つ点灯していない。 『システムエラーが発生した可能性がある。システムを再起動する。しばらく待て』 1時間後。 「どういうことです?」 シミュレーターコントロールルームで二宮は2号機担当の技官にくってかかった。 祷子の乗るシミュレーターの前では、美奈代達が何事か話しながら様子をうかがっている。 「何故、風間候補生だけ、起動中断、再開を?」 それがわからない。 教官として見る限り、祷子は問題なくシミュレーターを起動させている。 そのまま、次の過程に進めるのに。 「間違いないな?」 他の技官と話し合っていた技官は、ようやく二宮に気づいたという顔で言った。 「これを、見て下さいよ」 技官が指さすのは、数字の羅列。 それは、起動開始から完了までの時間だ。 「?」 「起動完了までの時間が早すぎるんです。それに、メサイアが安定していません」 「起動は問題ないじゃないてずか。安定は……知りませんが」 「問題なのです」 技官は呆れた。という顔で言った。 「こんなスピードでこなせるのは、高レベルの熟練騎士だけです」 「それを風間がやっている?」 「だから確認していたのですよ」 「私がおかしいと思うのは、あなたの方です」 二宮は睨み付けるように技官を見た。 背の高い、いかにも理系という、どこか人間らしくない冷たい顔立ち。 その皮膚の下で流れているのがどんな化学薬品なのか知りたくもない。 全てが気に入らなかった。 「今回は謎が多すぎます。第一、あなた達開発局βチームが訓練の監督を行うなんて」 「お答えできません」 ため息混じり。見下げた口調と態度で技官は答えた、二宮の神経をブチ切れる一歩手前に追いやった。 「すべては機密事項。また、こちらはあなた方の都合に合わせる必要はないので」 「実戦経験者にケンカ売ってます?」 「どうしてそういうとらえ方しかできないんですかねぇ」 二宮に拳をめり込まされる一歩手前で技官は言った。 「教官にこんな事言いたくないんですけどね?風間候補生は負荷をかけています」 「負荷?」 「ええ。シミュレーターにとって、風間候補生は、自らを操る“パートナー”ではありません。いいですか?メサイアと騎士、そしてMCは、共に戦う“パートナー”であることが求められるのです。三者のバランスが崩れたメサイアは戦力としての存在価値を激減させる。ご存じでしょう」 「言葉が不明瞭に過ぎます。独りよがりの会話は止めてください」 「……あなたの方がよほどけんか腰だ」 「どうも。それで?」 「シミュレーターは、風間候補生を恐れています。パートナーではなく、自分を酷使する支配者として」 「?」 「ごく希な現象ではありますけどね。自分では耐えられないほどの動きを求める騎士を、メサイアは恐れます。“他を当たってくれ”とでもいいましょうか?」 「……あれは机上の空論であり、現実には起きるはずがないと」 「確率は何億分の一以下です。確かに。しかし、この起動の素早さは、メサイアがあの娘に怯え、機嫌を損ねたくないと考えている証拠。それだけに興味があるんですよ。あの娘には」 技官はそう言ってモニターの一角を突いた。 表示されているのは、祷子のパーソナルデータ。 メサイアの操縦適正能力を示すSMD。 レベル一つの差で戦闘能力差はケタ違いに開く。 一般的な最高レベルであるレベルAと、最低のD同士で戦おうとしても、戦うことすら出来ないほどだ。 レベルFL。 現在、認定されている最高レベルの上から2番目というハイスペック。 認定されている女性騎士は人類でも5人といない。 近衛どころか、全人類規模で見た方が正しいほど、貴重なレベルだ。 近衛騎士の平均レベルがAA+。 それで世界最高レベルどころか、異常とさえ言われる。 世界最大の米軍ですら、平均レベルはBBB。もっと世界を広く見れば、BBが精一杯。 そういうものだ。 「この娘はそれだけじゃないんです」 「はっ?」 「いずれ、開発局でいただく人材です。大切に扱ってくださいね?くだらないシゴキで傷モノにされては困ります」 技官は肩をすくめた。 「開発局勤務だって、いろいろと制約というか、圧力かけられてるんですから」 「……わかりました」 二宮は言った。 「しかし、次のカリキュラムにも影響します。データ分析で対処して下さい」 「……了解。風間候補生、待たせて済まない。次のプロセスへ移行する」 二宮は、メサイアの情報に目をやりながら、祷子の操縦を見守った。 スゴイ。 それが祷子の感想だ。 メサイアの四肢が、いや、メサイアそのものが、自分の体になったような不思議な錯覚すら覚える。 だから、祷子は不思議だった。 皆がメサイアに乗って気分を悪くするのが理解できない。 自分の体を動かして気分が悪くなるはずはないのに―――。 ただ、そんな疑問も快適さすら、戦闘機動に移るまでのこと。 「―――っ!!」 急激なGに振り回されながら、祷子は奇妙な違和感を感じていた。 戦闘。 祷子にもそれはわかる。 わからないのは、 戦闘機動に移った途端、先程のメサイアとの一体感が全くなくなったこと。 全てが強い違和感となって祷子を襲う。 何故? 何が? どうして違ってきた? それに、この違和感は? 違和感? 違う。 これは不快感? いや―――不満そのものだ。 揺れるモニターに映し出されるのは、敵。 ドイツ帝国の主力メサイア“ノイシア”。 クリーム色の重厚な装甲に身を包み、シールドとメイスを装備している、世界的に見ても“有力”なメサイアだ。 日本も立憲君主国であることから、同帝国とは友好関係にあるが、やはり仮想敵となることは避けられないようだ。 敵は3騎。 戦況モニターに映し出される状況は、お世辞にも芳しいものではない。 祷子の騎は、その動きの稚拙さもあって、三角陣形のど真ん中に包囲されている。 前方にノイシアA。 左後ろにノイシアB。 右後ろにノイシアC。 それが、戦況モニター上で割り当てられた敵の名。 敵の戦況モニターに自分の騎が何と映し出されるのか、祷子は知らない。 ドンッ! モニターの中で、土煙と振動をあげ、ノイシアが突撃してきた。 迎え撃とうとした祷子だが―――。 「えっ?何で?」 思わずそう叫ぶ。 何のことはない。 騎体が、敵の攻撃を後退して避けたのだ。 「何で下がるの?」 あそこで下がっちゃダメ。 祷子の心のどこかで、何かがそう叫ぶ。 あそこで下がったら!! 祷子の目は、戦況モニターに移る。 彼我の配置が映し出されるモニターには、自騎と目の前の敵騎、そして―――。 背後には分散して伏せる敵数騎。 下がれば囲まれる。 囲まれれば殺される! わかっているはずだ。 それなのに、何故、下がった? 「きゃあっ!」 理由を知る術もないコクピットを激震が貫いた。 「ひ、被害は!?」 騎体の状況を示すステイタスモニターは、背部に中程度の損傷が発生したことを告げている。 「ちっ―――っ!?」 メサイアを動かそうとした祷子だったが、それが無理な注文であることを、すぐに思い知らされた。 騎体が動かない。 「操縦が!?」 力任せにシステムを動かそうとしても全く反応しない。 何とかしなくては。 そう思い、スクリーンモニターを見た次の瞬間、 ガンッ! 頭が割れたかと思った。 ヘルメット越しに伝わる激震。 それは頭部への一撃があった証拠。 敵の攻撃は、それだけでは終わらない。 メイスが振り下ろされるたびに、被害箇所に痛みが走る。 「―――っ!」 目をつむり、歯を食いしばるがそれでも痛みはやってくる。 メサイアはついに膝をついた。 動きはしない。 ただただこのシミュレーションが終わるのを待つ。 それが自分に出来るただ一つのこと。 ただ一つの? ……。 違う。 祷子は思った。 私はパイロットだ。 パイロットにしか出来ないことがある。 私は、それをしなければならない! 祷子は脇にどけていたコンソールを引き出し、騎体設定の操縦権限を外部・コントロールからコクピット・コントロールに設定、コントロールシステムを握りしめた。 「!」 ガギィンッ! 次の瞬間、シールドを装備した左腕が頭部をガード。メイスの一撃を凌いだ。 「う、動く!」 祷子は震える声で言った。 「いけるっ!」 ノイシアが狼狽した様子に見えたのは、祷子の錯覚にすぎない。 反撃に移る敵への対処を担当するコンピューターが次の処理をノイシアAに告げるために生じたわずかなタイムラグなのだ。 時間にしてわずか数秒足らずこと。 だが、祷子にはそれで十分だった。 ガンッ! 左腕の肘を引き、突き技の要領でシールドのエッジをノイシアAの股関節に突き立てた。 装甲スカートの隙間をねらい澄ましたような一撃を受けたノイシアAは脚部を切断され、バランスを失った。祷子の騎は、崩れ落ちてきたノイシアAを肩に背負う形になる。 「一騎!」 祷子はノイシアAをプロレス技の要領でノイシアBに投げつけ、同時に立ち上がった。 「バランサー、生きてるけど!」 思うように踏ん張りの効かない足回りをねじ伏せながら、祷子はメサイアを旋回させ、腰の刀を抜き放ち様、ノイシアCの腰部を切断した。 警告音が鳴り響くコクピット。 エラー表示で真っ赤になったモニター越しに、ノイシアA、Bが崩れ落ちるのが映し出される。 「いけっ!」 刀の慣性と騎体の関節の負荷をねじ伏せながら、祷子は刀を無理矢理メサイアの頭上にまで移動させ、一気に刀でノイシア2騎を串刺しにすべく、コントローラーを操作して……。 「騎体は……まぁ、仕方ない」 二宮は祷子に言った。 「騎士の機動にメサイアがついていかない故に騎体が破損するケースは、ごくわずかだが、実例として存在はする。また、今回の訓練にしても、元々は、メサイア戦の恐ろしさを、まず知ってもらうことが目的だ。目的は達成されたものと判断される」 「……はい」 「操縦権を自らのモノとして、敵を撃破した判断についても、決して非難されるものではない」 「……」 「あの状況でメサイア全騎を倒したことについては、文句はないということだ」 「……ありがとうございます」 「問題は、だ」 二宮の鋭い眼光を受け、祷子はすくみ上がった。 「騎の負担を考えない機動を行ったことだ」 「す……すみません」 「騎が貴様の操縦についていけず、エラーを宣言しているのを無視、あまつさえ、関節はガタガタにして……3騎撃破の代償として騎体は行動不能……自爆させたというのは、評価どころか、大減点対象だ」 祷子に返す言葉はなかった。 ノイシアCを撃破した次の瞬間。 右膝関節の構造パーツが破断、右脚部は膝関節から外れた。 祷子の騎はノイシア2騎を覆い被さるように転倒。 串刺しには成功したものの、祷子の騎そのものも行動不能。 システムは、祷子に脱出と自爆を要求してきた。 自爆システムを起動させた時の、自分の不甲斐なさと悔しさを思い出し、祷子は泣き出しそうになった。 「敵を倒す。それは評価出来る。だが、ああも騎体を安く見てもらっては困る」 「……」 「騎体を安く見る。それは、自分の命を安く見ているのと同じだ」 二宮はコーヒーポットに手を伸ばしながら言った。 「騎士の価値は、生きていればこそのもの。死んだ騎士に価値はない。なにより」 「はい」 「私は、貴様等に死ぬ方法を教えているわけではない」 そう言う二宮の目は、どこか慈愛すら感じさせる優しさを持っていた。 「近衛の騎士として、どんな戦いでも生きて功を成すための術を教えているつもりだ」 「……教官」 「敵を倒すことにこだわるな。生きる術と敵を倒す術はいつもイコールではつながらない。教えたはずだぞ?常に戦況を冷静に見定め、生き残ることを考えろと」 じっ。と祷子を見た二宮はため息混じりに言った。 「貴様や泉に言っても無駄か」 「?あの……私は確かに居眠りとか、いろいろありますけど……?」 「……泉は」 二宮はコーヒーを注ぐ手に注意しながら言った。 「単なる試験秀才……試験の時だけ成績はいいが、実践で活かせるタイプではない」 「えっ?」 「学校の成績はいいが、社会に出てその経験や知識が活かせない、そんなタイプだ。見ていてわかる。あいつは軍人、いや、社会人になれば絶対、苦労するタイプだ。私なら、さっさと結婚して専業主婦になることを勧める」 「……」 「第一、泉は知られていないが、お前以上の特技がある」 「はい?」 「目を開けたまま眠れるんだ。自習で知識は得ているようだが、授業ではよく寝ているぞ?」 「う、ウソ……ですよね」 「教官を舐めるな。そして、お前並に頭に血が上ると視野が狭くなる。……先程の説教は、すでに泉に話したことだし?ま、お前とは別な意味で劣等生といえば劣等生だ。―――飲むか?」 コーヒーの入った紙コップを祷子に渡しながら、 「そういえば、何故居眠りが多いか聞いていなかったな」 「……怒られます」 「聞かねば怒りようがない」 「……消灯の後、ヴァイオリンの練習を」 「ヴァイオリン?」 「近衛に入ったら、音楽大学に通わせてくれる。軍楽隊の指導もつける。そう言われていたんですが」 「無理だな……なんだ?そんなにヴァイオリンってのは難しいのか?」 「感覚が鈍るんです。しばらく使っていないと」 「……そうか」 二宮はふと思いついたように言った。 「一曲、弾いてくれないか?」
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ワークス一覧 このページではチョロQワークスでプレイ可能なワークスの紹介をしています。 運搬系 パワーリフト ヘビートレーダー レッカーキャリー 建設・重機系 ストライクオイル トンネリング フィールドブロウ フラットファルト ブレイクアップ ミックスショベル レース系 オーバルコース スプラッシュガーデン その他 ジャンプスタント マグディフェンド メテオウォーズ
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名前 イメージ 攻撃力(最大) 防御力(最大) 兵士数(最大) 進化段階 コスト スキル:自ターン増加 アリエス 3600~(5760) 3500~(5600) 3400~(?) ☆ 35 --テンプテーション--どんな相手も魅了する。敵全体が2ターン行動できなくなる10% エイル 3900~(6240) 3900~(6240) 3800~(?) ☆ 47 --良薬口に苦し--あまりの苦みに身体が硬直。敵全体が3ターン行動できなくなる/10% ジャーナリスト 3950~(6320) 3850~(6160) 3800~(?) ☆ 47 --スキャンダルスクープ--衝撃的な記事でフリーズ。敵全体が4ターン行動できなくなる/5% プシュケー 3750~(6000) 3750~(6000) 3500~(?) ☆ 37 --金色の鱗粉--鱗粉で敵を混乱させる。敵全体が2ターン行動できなくなる/窮地25% 爆竹 4100~(6560) 3900~(6240) 3800~(?) ☆ 47 --千爆鬼払い--魔を払う爆裂音。敵全体が3ターン行動できなくなる/10% 聖女 プリム 3950~(6320) 3850~(6160) 3800~(?) ☆ 47 --ガラスシャワー--掃除中のアクシデント。敵全体が3ターン行動できなくなる/10% 女神 ぺーメー 4100~(6560) 3950~(6320) 3850~(7700) ☆ 40 --マシンガントーク--相手は戸惑う。敵全体が3ターン行動できなくなる/10%
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ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【まおりゅう】八星之紋章交換のおすすめ交換キャラ - AppMedia(アップメディア) Among Us攻略Wiki【アマングアス・アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」:時事ドットコム - 時事通信 マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - PR TIMES 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング(最新版) - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【テイルズオブルミナリア】リセマラ当たりランキング - TOルミナリア攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】チャンピオンズミーティングの攻略まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】フジキセキの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) サモンズボード攻略wiki - GameWith 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】ソラのコンボと評価【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】サーナイトの評価と性能詳細【UNITE】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ガーディアンテイルズ】ギルドレイド戦(秘密の研究所)の攻略とおすすめキャラ【ガデテル】 - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ” - 沖縄タイムス 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? 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https://w.atwiki.jp/avalononline-wiki/pages/932.html
Last Update 2012/08/20 19 45 03 《バルキリーローザ》 属性 黄 移動色 ●● 攻撃 15 能力 [戦闘時]発動「天使長クリオラ」が手札にある場合、[避け無効]「バルキリークララ」が手札にある場合、[先制]、[先制避け][戦闘勝利時]発動次の行動開始時、自分がホルダーだった場合、すべてのプレイヤーを目的地の祠へ移動させる※チェイサーは気絶状態になる レア SR 種族 精霊 耐久 15 SRらしいロマンあふれる能力を持つ。 まず戦闘時能力だが、《天使長クリオラ》があれば避け無効、《バルキリークララ》があれば先制及び先制避けと、それぞれの持つ能力を得られる。 両方が手札にあれば反射以外は怖くないため、攻撃値を上げつつ反射無効を付加できる《威圧のオーラ》と相性が良い。 防衛時は手札に赤が残ってさえいれば《バルキリークララ》の能力を警戒させられるのがポイント。 相手としては《名刀の刃紋》などで先制 避け無効を付加できないとなかなか攻めづらいだろう。 戦闘勝利時効果に関しては全員巻き込む《プラテウム》のようなもの。 得られるメリットは大きいが他のプレイヤーもそのメリットを享受できるので、嫌われがちな《セラフィー・ルカ》とは対極のカードと言える。 テレポートと違って移動先に対立モンスターがいる場合でも即座に戦闘にはならないので、準備を整えてから挑むことが可能。 強力な能力を持つ反面、戦闘時能力の条件である両者もバルキリーローザ自身も移動値が低いため移動事故を起こしやすいデッキになりがち。 バルキリーローザで鍵戦闘に勝利できれば移動する必要がないのである程度はカバーできるが、いざという時にはハンドコストに出来る様にしておくと良いだろう。 また、《天使長クリオラ》自体も侵略においては非常に優秀なので状況によってはそちらで侵略することも考えた方がよい。 戦闘勝利時能力はサミットと呼ばれることがある。詳しくはこちらを参照。 ▲ クララはアタッカーとしてかなり優秀なカードではないだろ・・・ -- 名無しさん (2011-12-20 14 30 03) クララはむしろディフェンダーとして使った方が優秀だね。クララとローザが両方手札にあればクララで攻める利点はほとんどないし修正した方がよさげ。 -- 名無しさん (2011-12-20 21 22 50) 名前 コメント